考察

仮面ライダーセイバー第15話 感想

どうも、「かざみわし」狩谷亮裕です。
仮面ライダーセイバー第15話。ここ4,5話かけてていねいに描かれ、準備されてきたものが一気に爆発し、様々なことが明らかになりましたね。そしてこの15話は私の予想通り、1話から(厳密には15年前から続いている)事件の総ざらい。エンディングもいつものダンスではなく映像とともに流れましたので、第1部、ここに完結!といった印象。

そこで今回の記事では、15話で明らかとなった各陣営・人物の目的などを重なる部分もあるかとは思いますが、当サイトでもまとめていこうと思います。

やはり見ごたえのあったメギド3幹部のアクション!
メギドたちの目的は知識の源『目次録』と全ての本を集め、世界をつくり変えること

14話では、先に大いなる本へと続く扉に向かったカリバーを追うかたちで、メギド達を他の剣士に任せ、セイバーもこの『目次録』に入っていったところで物語が終わりました。そこから続く15話冒頭。ストリウスを中心にメギド達が剣士たちに、カリバーがセイバーに説明しているところを上手くつなぎ合わせる形で、視聴者にメギド&カリバーの15年前からの目的が明らかとなりました。その目的とは…

2000年前にバラバラになってしまった、全知全能の書=大いなる本、聖なるワンダーライドブック。その唯一残った目次のページ『目次録』。目次録を手に入れ、世界に散ったすべての本を集めた時、全知全能の書は復活し、手にしたものは神にも等しい絶対的な力を手にする。それを用いて

メギド…自分たちにとって、正しく美しい世界に作り変える。
カリバー・上條大地…15年前の事件の真実や真の敵を明らかにしたい(後述)

現在のカリバーである、上條については別見出しで後ほど述べますが、メギド達はこの大いなる本の力を使って、この世界を作り変えるのが行動の目的だったようです。
5話でデザストが自分たちメギドの目的をワンダーワールドを侵食し、のっとって支配すると言っていたことから、あくまでも人間世界には興味がない というか、自分たちの計画には無関係かと思っていましたが、13話でのレジエルの「扉が開けば、2つの世界も大いなる力も我らのもの…」という発言から、やはり人間世界も含められていたようです。

そのシーンでの幹部メギド達の変身前の生身のアクションは、迫力あり でしたね。今回の監督が坂本浩一監督ということもあり、この字を見た時から、あぁ~なるほどと。15話の東映やテレビ朝日の15話シーンカットにもあった、生身で戦っている(であろう)シーン描写にも、坂本監督であればやってもおかしくはないだろうと。大変納得して堪能させていただきました。

こういう、物語の節目や最終決戦の時に、互いに変身前の生身で。拳と拳をぶつけ殴り合うのは、なんというか、こうお互いの信念や思いを拳に乗せて、それぞれの立場を背負って戦うもの同士の戦い の気がして。こういうところ、大好きです。見ていて熱くなります。

今は特にこんなご時世。いや、昔もそうですが、リアルでこのような殴り合いの大乱闘をやると、暴力・DVで一発アウト!なのでできませんし、やってはいけません。しかし、だからこそ、このようなフィクションで、特にヒーローものの象徴の一つである仮面ライダーでここまでやってくれると気持ちが晴れる部分があります。このド派手なアクションシーンを堪能できるのも仮面ライダー作品の魅力であり、醍醐味だと思うのです。

普段リアルの世界でできないこと・ありえないこと(可能性がすごく低いこと)をドラマ等映像で見せられると、なんだかスカッとする。そういうことってありますよね。

そんな放送前から期待していたアクションシーンですが、私が一番驚いたのは、
「ストリウス。あなたきっちり動けるんじゃん!」これにつきます。
前回14話の考察にも書いたように、

仮面ライダーセイバー第14話 感想今回は、仮面ライダーセイバー第14話感想と考察を。 倫太郎の新フォーム、『キングライオン大戦記』大”咆哮”の一方で、デザストの冒頭の「なぁんだ、やっぱりか」この発言とこの状況においてもどこか余裕を漂わせるストリウス。悪役好きの私としては、目が離せない注目ポイントでした。 そして、ついに明かされる15年前の真実…!次回も見どころたっぷりだ~...

ストリウスといえば、「物語」のジャンルを司るメギドらしく、言葉を用いて相手に精神的・心理的ダメージをチクチク入れながら戦うのが常套で、例えば12話でのセイバーをズオスとストリウスの2対1で相手取るシーン。積極的に前に出るズオスとは対照的に、ストリウスの剣の振り方とその時の体の使い方(腰への重心の入れ方)を見ていると、一応剣は持っているが、体を使う戦闘スタイルは不得手なのかなと思っていました。
なので、ズオス、レジエルとは別に自分だけさっさと怪人体になってやるのかなと思っていたら…おみそれいたしました。これについては公式にも書かれているように、

仮面ライダーセイバー第16章「世界を救う、一条の光。」

文豪っぽく(?)はたまた劇中、仲間に対しても見せている「得体の知れなさ・深い余裕」を体現したかのように、片手をポケットに突っこんだまま。写真を見る限り左手一本で剣士2人を相手取るこの強さ。「アナタたちなど余裕ですよ」と言わんばかりの素のアクションにストリウス好きの私としては、またひとつ惚れましたね。

カリバー・上條大地の目的。それが俺の、覚悟だ!
~15年前の真実、組織にいる敵を暴くために~

メギド達の目的は、大いなる本、全知全能の書の力を使って世界を作り変えることでした。
一方現代のカリバーであり先代の炎の剣士、上條の目的は?というと、彼らとは少し違いました。

目次録に続く空間の中戦う2人。その最中カリバーは飛羽真、仮面ライダーセイバーに対して、「世界が何者かに作られたものだとしたらどうする?」、「そしてすでに世界の最期が決まっていたとしたら。それでもお前は戦うか?」などと巧みに真実につながりそうな言葉を多用し、飛羽真を追い詰め、一度は闇の力によって消滅させられます。

しかし、先に闇の中へと送られていた賢人の声によって自分を取り戻し、脱出に成功する飛羽真。脱出できた力を認めてなのか、飛羽真の「賢人が、仲間が俺を救ってくれた!!」の「仲間」という言葉に感化されてなのかは分かりませんが、上條はここでついに自身の追い求める『真理』。そして15年前の真相について語り始めます。

15年前の戦いは私にとって、世界と友を救う戦いだった。上條と富加宮隼人は仲間であり友だったと。

ところが、15年前の事件の日。富加宮隼人・カリバーは現在の上條やメギドと同じように6本の柱を立て、中央に大いなる本を出現させた。隼人に「その少女を使って何をする気だ?」と問う上條。それに対する隼人の答えは、「この少女は2つの世界をつなぐ特別な存在だ。俺はあそこで不変の真理を手にする。すべては世界を救うため。それが真の平和へと至る道だ。あのお方もそういっておられた!」と、現在の上條のようなことを口にします。

このやり取りの中で上條は「富加宮(隼人)を変えてしまったのは、ソードオブロゴスだ」という思いを抱くようになり、裏切り者となった隼人を切り、今度は自分がカリバーとなって、組織を離れすべての罪を背負い、メギドと手を組んででも大切な友を悪魔に変えてしまった敵を・真実を明らかにすると覚悟を決めた。

第9話からカリバーとしての強化をストリウスと共謀し図ったのも、組織の中枢にいる真の敵を見つけその敵と戦うには、力が必要だったからだ!それが俺の覚悟だ!!と。

ここで気になるポイントとしては、15年前に上條と同じようなことを言う隼人。
上條の場合は上記のような理由もあって本人曰く、「私は富加宮が手に入れようとした『不変の真理』を求めた」これは、理由を聞けば納得です。
だって、「富加宮が手に入れようとした」のであって、隼人も上條も『不変の真理』がどういうものか?誰も確認できていないのですから。それよりも問題は、
なぜ隼人が『真理』にこだわって行動するようになったのか?

隼人が15年前、最初にメギドと結託し、求めたもの=『不変の真理』を得るために、上條はそのまねをしているわけです。ということは、事の最初に隼人に対して何かしらの影響を与えた存在がバックにいると考えるのが自然です。
それがなければ、隼人は今も剣士として活躍し(あるいは名を残し)、組織の中にいたはずです。では隼人はなぜこんな風に変わってしまったのか…?
そこには隼人が「あのお方」と呼んでいた人物が大いに関係してきそうです。

少し話を変えて。
上條の組織の中枢にいる真の敵を見つけその敵と戦うには、力が必要だったからだ! この言葉を引用して考えると、「…その敵と戦うには、力が必要」といういい回し、そして聖剣のメンテナンスを代々担ってきている、大秦寺家の人間である大秦寺哲雄が暗黒剣月闇のことを「謎の多い聖剣」とあまり深く知らなかったことも踏まえると、やはり暗黒剣はソードオブロゴスの管理下ではなく、メギド側。もしくはもう一つの組織である、サウザンベースにあったと考えてよいと思います。

そして話を戻して隼人が「あのお方」といったということは、まだこの人物が誰か? ということまでは分かりませんが、誰かしら隼人を自分への忠義・忠誠を利用してそそのかした人物がいる。その人物は隼人が最もといってもいいほど。時として組織よりも信頼を置く人物であるということは明らかです。

上條のあまりにもあっさりとした最期

神山飛羽真/仮面ライダーセイバーとの激闘の末、自らの過ちと敗北を認め、「お前が私に代わって真実を見つけてくれ。すべての元凶、組織の裏切り者が誰なのか。それが分かればおそらく、本に飲み込まれた少女=ルナにもつながるはずだ」とすべてを飛羽真に託す上條。
同話冒頭でのレジエルの「帰ってこられるのは、心理を手にした一人だけ」という発言を聞いていましたから、上條の飛羽真への懺悔もあわせて考えると、これはもしや?と思いましたが、仮面ライダーシリーズではお決まりの、案の定なパターンで息絶えてしまいました。

上條にトドメを刺したのは、こっそり目次録に侵入していたデザスト。皮肉にも自分が封印から解き放った相手に、封印するアイテムごとトドメを刺されるという結果に。ほらね、自分の周りにいるのがどういうやつらかちゃんと把握して、常に警戒して動かないからこういうことになる。因果応報というか。まぁメタ的なことを言えば、敵側に属しているライダーが味方側になにか自分の知っている、物語にも深くかかわる重要なことを話し出すと、人間と敵対している怪人=今作で言うとメギド側の誰かに切られる というのは、お決まりのこと なんですけどね。

とにもかくにもこのシーンで、私が前回の記事でも書いた、

仮面ライダーセイバー第14話 感想今回は、仮面ライダーセイバー第14話感想と考察を。 倫太郎の新フォーム、『キングライオン大戦記』大”咆哮”の一方で、デザストの冒頭の「なぁんだ、やっぱりか」この発言とこの状況においてもどこか余裕を漂わせるストリウス。悪役好きの私としては、目が離せない注目ポイントでした。 そして、ついに明かされる15年前の真実…!次回も見どころたっぷりだ~...

デザストの言う、「カリバーからオレの大事なものを取り戻そうと来てみたが、」この大事なものとは剣士列伝での描写通り、デザストアルターライドブック。これだとストレートすぎる と書きましたが、ここはストレートに考えてよかったようです。

上條から自分の封印されていたアルターブックを奪い返し、「これで俺は完全に自由だ」と不敵に笑いながらその場を去ったデザスト。その言葉の真意や、「自由」になったデザストの動向ももちろんですが、今後はソードオブロゴスの内々にいる、裏切り者が誰なのか?を巡って物語は大きく動き出しそうです。

今日も長くなってきましたので、この辺でおいとましようと思います。
それでは、今日はこの辺で。
~風の向くまま。気の向くままに~