考察

仮面ライダーセイバー第14話 感想

どうも、「かざみわし」狩谷亮裕です。
第14話。まだまだ大いなる本をめぐっての戦いは終わりません。年内の放送があと2回ということで、私の大枠の予想通り来週で上條の目的を視聴者にも語り、1話から(厳密には15年前から続いている)闇の剣士の動乱というものにケリをつけて、残り1話で年始からの新展開に備え新たな布石をまいて、続きは来年。2週間後!というふうに持って行く運びなのかなぁと思いますね。

そんな第14話は、前回のセイバーのパワーアップに引き続き、倫太郎のパワーアップ回。
最近は、2号ライダーもだいたい主人公と同じようなタイミングでパワーアップアイテムをもらえるようになりました。ゴーストぐらいまでは、主人公の3回目のパワーアップのタイミングで(2,3月ごろ)2号も1度だけパワーアップをもらえただけでしたから、そこから考えると、だいぶ2号ライダーも待遇が主人公クラスに昇格したなぁと時代の変化=おもちゃ促進の活発化を感じずにはいられません。

おっと、話がそれ過ぎました。まずはそんな仮面ライダーブレイズの新フォームである「キングライオン大戦記」についてみていきたいと思います。

キングライオン大戦記

前回のセイバーが静を極め、少ない動きで相手の剣を見切り反撃して勝っていくタイプなら、このキングライオン大戦記は、真反対の動。というより、猛などと表記した方がただしいかもしれません。公式にはそれっぽい描写などは書かれていませんが、本能覚醒!じゃないけれども、変身者のアドレナリンや闘争心を限界まで引き出す みたいな機能がこのワンダーライドブックにはあるんでしょうか?

私的には第9話の大秦寺のブレーメンによるキャラ変で慣れさせてもらいましたが、それ並みに荒々しく戦ってましたよ。あんなに本能のままに動く、正しく野獣のような倫太郎を私は見たことがない。強いて言うなれば、第7話の長峰謙信の仇がズオスであると知った時。
まぁ、ああいう雄たけびをあげるとか、吠えるというような気質はどこかに持っているんだろうなと思いはしましたけど、あれとこれとはちょっと事情が違うしねぇ…。とにもかくにもびっくりです。

あと、もう一つびっくりポイントと言えば、「キングライオン大チェンジ」。
事前にこの動画で

【悲報 倫太郎、ホモサピエンスやめるってよ】ドラゴニックナイトとライオン大戦記がカッコよすぎる!セイバーがドラゴンに乗り、ブレイズがライオンになる!? 【仮面ライダーセイバー 情報解禁】
引用:ちゃんこPさん

「お魚くわえたどら猫」ではなく、「剣をくわえたライオン」がでていたから、もしや?とは思ったけれども、まさか本当にライオンそのものになるとは…。
しかも、メギド3幹部を初戦でデータがないとはいえ、ほぼ一人で食いちぎったり、蹴飛ばしたり。ついでに6本の柱も1本消したり。暴れたい放題。初陣としては文句なし。いや、出来すぎのデビュー戦だったのではないでしょうか。

P・S・
あとこちらは、「ライ」で韻踏むのね。

例:Rhyming=「ライ」ミング、Riding=「ライ」ディング、Rising=「ライ」ジング、Lifull=「ライ」フルなど。はい、今回もお見事です。
パワーアップ前は剣使うのに「ライフル」って書いてるってことは、剣から銃に乗り換えるの?そのパターン、初じゃない?と文字だけ見て思っていた私ですが、Lifull=「ライ」フルまで韻踏みに使われているということは、この時点でここまで計算済みだったまで疑ってしまうよね、うん。

明らかとなった幹部メギド達の個性豊かな戦い方

そんなキングライオン大戦記の活躍が光った14話でしたが、メギド達ももうすぐワンダーワールドとこちらの世界がつながるとあって、行動を活発化させていました。
第7話以来となる幹部メギド総出勤回でしたが、今回あらためて各メギド達の戦い方というか、得意とする戦闘スタイルが明らかとなりましたね。

ズオスは倫太郎や飛羽真と戦ったときのように、ナイフのような2本の剣と、持ち前のパワーを活かした力押し。今回はこちらも基本ごり押しが売りのパワー系ベテランライダー、バスターが相手。「俺の相手は、お前だ。俺がガツンと喰らわせてやる!」と尾上さん。喰らわせてやる だなんて…「喰らう」というワード使っちゃったら、どっちがズオスのセリフかわからないじゃないですか、もう。それに対して、「一度お前を狩ってみたいと思ってたぜ」とパワー勝負にまんざらでもないご様子。

このシーンで2度目の戦闘となったレジエルは、今度は連と対峙。一度目の対バスターの時と同じように、斧のようにも見える大剣を使用。

剣士たちはそれぞれ飛羽真が火、倫太郎が水のように、1人につき1属性が基本ですが、レジエルの売りは1人でどのエレメントでも使える。尾上さんの言うように、「何でもあり」。連が若いからというのもあるからでしょうが、「お前程度の剣士など。苦しめ、もっと苦しめ!」と相手を苦しめ、力の差を見せつけてから勝つという、勝負師なら1度はやってみたい戦い方。

それに対して「俺に本気を出させたな」と言える連もすごいけど。ってアンタ今まで本気出してなかったんか~い!とツッコみたくもなりますが、あの若さでここまできちんと力を調節しながら戦えてるのが素晴らしいです。

最後にストリウス大秦寺の一幕。まぁ、当サイトでもストリウスのことは特に注目して書いてきましたので、この戦い方をするのは予想通り。
「アナタたちは何年も何年もムダな努力を積み重ね、結局報われない。本当にかわいそうな存在だ。だからせめて楽しませてあげましょう!」と相手をイラっとさせたり、心理的なダメージを蓄積させて倒すという、狡猾なストリウスらしい作戦。

そこに加えて、自身を3体に分身させ、「さ~て、どれがホンモノのワタシでしょう?どれも私ではないかもしれないし、どれもがわたしかもしれませんが。さぁ、どれでしょう?」と。

それに対する解として「耳障りだ」と大秦寺が返したのは、ちょうど直前に連から受け取っていた3びきのこぶた を利用し、こっちも分身して3対3で戦うという最適な解。

一見すると、これをされるんなら、あのストリウスのウザい喋りはなんだったんだ?と思われた方もいるかと思いますが、多分あれ、あのままどれか1体をこれと決めて切りかかってきたのを見てから、それとは違う本体に自分の魂というか心臓を瞬時に戻し、身代わり人形のようにもぬけの殻にさせてからスラッシュを切るという策だったと思うので、あれが最も最適な解だったのです。

しかもこの手の分身術を使う場合、3体とも自分なわけなので、1体に使える能力。すなわちエネルギーが弱くなる。こちらも分身できるのなら、そうやって1対1のタイマンでやる方がかえって分がいいまであります。特に耳がいい大秦寺にとってはね。

こうして剣士たちとメギド、そしてセイバーとカリバーが戦闘を繰り広げる中、世界の融合が始まりつつあるのを認識し、ひとり喜ぶデザスト。ここでもやはり戦いには参加せず、独断で行動していました。

どこか不穏なストリウスの余裕とデザストの”やっぱりか”発言

同話冒頭部分で暗黒剣を回収しに行った彼ですが、「おっと、やっぱりか。」これがどうしても気にかかる。直前のシーンでストリウスがズオスに「このまま終わるはずがない。」となだめていましたが、その前のストリウスのセリフとして「しかしジャオウドラゴンが敗れるとは。セイバーは面白いですねぇ。」と表現していました。これに対しズオスは「笑いごとか!」と声を荒らげるわけですが、この珍しくまっとうな主張に対して一瞬キッと睨みをきかせた表情の後笑顔で返す。(かと思えば、別のシーンで飛羽真に「あなたはキケンです。」とも返している)

メギド側においても失敗の許されない局面において、なぜこんなにもストリウスが余裕でいられるのか?彼の胸中も気になるところではあります。

この会話があってからのあのシーンということは、2人とも暗黒剣の秘密を熟知したうえで、ストリウスがデザストに回収を命じたのだと考えてよさそう。

しかし、ただでは終わらないのがデザスト。基本上條が生きているのは織り込み済みだが、もし剣に触ったり剣を抜いたりしても何も反応がなければ、今度は自分がカリバーとなってやろうという目論見もあっての。でも、反応があったから「なぁんだ、やっぱりか」という言葉が出てくる。

ここで思い出したのが、カリバージャオウドラゴンの本を手に取った時、上條に向けてストリウスが送った言葉。

「それがあなたが望んだ力です。ただ、人間に使いこなせるかどうかは分かりませんが…。」

これも壮大な含みだなぁと思っていて、人間に使いこなせるかどうかは分からない
ということは、あなた達メギドであればこの本の力を存分に使いこなせたりするってことですか?と私はこのセリフが言い放たれた10話当時ギモンを持ちました。

そして時が流れて14話。今回この描写があったということは、この言葉通りメギド側が。引いてはデザストが暗黒剣月闇を使って仮面ライダーに変身する なんて日もそう遠くないのかもしれません。

そもそも「準備はできたか?」と問うたカリバーにもちろん、と返したストリウス。続けてジャオウドラゴン創作のための作戦を授けたのは、他でもなくストリウスですし、この新たなワンダーライドブックが執筆されたのはアルターライドブックを作るための(?)メギド陣営にある機械ですから。ストリウスがジャオウドラゴンの力の真価や暗黒剣について何か秘密を握っていたとしてもなんら、不思議はありません。

 

※追記「仮面ライダーセイバースピンオフ剣士列伝」第2話(剣斬編)におけるデザストの発言を踏まえて…

「仮面ライダーセイバースピンオフ剣士列伝」第2話においても、デザストが不穏な発言をしていました。抜き出すとこの2つ。
カリバーからオレの大事なものを取り戻そうと来てみたが、(この時、デザストが封印されていた、デザストアルターライドブックを開くカリバー=第4話と同じシーン を回想している)ちょうどいい、また俺と遊んでくれよ。

・ヤツは間違いなく「こっち側」だ。←お前にとって「正義」とは何だ?と問い、連の強さ=正義だ ということを聞いてからの発言。

まず、2つ目のヤツは間違いなく「こっち側」だ。
これは、単純に自分=デザストと同じように、漣もまた戦う理由や「強さ」にこだわる気質の持ち主であるということ。特にデザストは”匂い”を嗅ぎ分けることに優れているメギド。ただの戦闘狂 というわけでもなく、彼の言う”匂い”とは、相手の本質を相手も知らないところで射抜いている、勘の鋭さを持ち合わせています。

もしかすると、その後、公式にも書かれていた連の靴ひもが切れるシーン。

仮面ライダーセイバー第13章「俺は、俺の、思いを貫く。」

私が6話考察でも書いたように、

仮面ライダーセイバー第6話 感想今回は、ようやく仮面ライダーセイバー第6話 感想ということで。 物語の展開も、非常にスピーディーでどうまとめようか迷いましたが、剣斬1割、禁書まわり8割、スラッシュと三上くん1割という風に決めて取りかかれたので、良いものができたんじゃないかなと思っています。 よろしければ。...

連の『闇堕ち』の可能性まで嗅ぎ分けての発言だとしたらすごいけど、そこまで深読みしなくてもいいかなとは思いますね。

それよりも問題は、デザストが連に出合い頭にかけた言葉。カリバーからオレの大事なものを取り戻そうと来てみたが、大事なものって何?というお話し。映像では第4話と同じデザストアルターライドブックのアップが映し出されたことから、大事なもの=自分の入っていた本と考えられますが、それだとあまりにストレートすぎる。真に大事なものが他にあるのではないか。そう思ってならない。

そこでひらめいたのが、大事なもの=暗黒剣月闇説。

「カリバーから取り戻そうと」ということは、現状、彼の言う大事なものはカリバーが持っている。

上記の「なぁんだ、やっぱりか」であったり、前回書いたように、ジャオウドラゴンもデザストも魂のような球体になって移動ができる、酷似した能力を持っている点。10話でストリウスがカリバーの装備自体、もともとメギド側が使うことを前提としたような発言も。

そして前回セイバーに敗れた上條が、あっさりと、暗黒剣から復活できた点。(これもデザストの死なない能力と類似している)と辻褄があうポイントがたくさん

暗黒剣自体特殊な(特別な)、謎の多い剣。そしてデザストも異色の経緯で生み出されたメギド。まだ何とも言えませんが、剣士列伝第2話をのぞくと、暗黒剣月闇を使いこなすために作られたメギド。これがデザストなのかもしれません。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回15話では、ここ4,5話かけて描かれてきたメギド達の計画、飛羽真、賢人、ルナの3人で交わした約束。その”約束の場所”の中心で開かれんとする真理への扉。そして、明かされる(?)15年前の真実…。予告中のテロップや公式サイトを見ても、

仮面ライダーセイバー第15章「覚悟を超えた、その先に。」

15年前に端を発した事件もいよいよクライマックスです。様々な謎が明らかになります。

と明言されているところを見ると、次回は年末・年始に向けて物語が加速しそうな予感!
テレビ朝日や東映のサイトの場面カットをみると、剣士達とメギド3幹部が生身でやりあっているシーンもある様子。満身創痍でそれぞれの覚悟が交錯するなかで、何が語られるのか?キャストたちの熱い演技にも注目です!

そう考えると他の幹部たちと同じようにデザストにも人間体があってもよさそうだけど…。合成されたメギドだから、人間体は存在しないのか?はたまた現時点では明かせない衝撃のサプライズが待っているのか?  どうなんでしょう?

それでは、今日はこの辺で。
~風の向くまま。気の向くままに~