どうも、「かざみわし」の狩谷亮裕です。
今日は前回「私が心理学に興味を持った理由 ワケ(前編)」の続きを。
前編では、私が心理学に興味を持つ第1波であった、小学生時代を深堀りしてみました。
そこから中学校時代は、心理学を特に意識することもないまま3年間が過ぎ、次に心理学とのターニングポイント。いわゆる第2波を経験することになったのは、そこから同じ支援学校の高等部へエスカレーターした高校時代でした。
Contents
頭の中は、進路・進路。
~閉塞感・窮屈感に押しつぶされていた”人間関係氷河期”の高校時代~
特に前の年に(中3)自立活動の時間で「将来の夢」として、自分が就きたい職業、なりたい自分についてクラス内で発表したこと。そして高校へ上がると、何かと周りの先生から進路進路とささやかれる機会が増えてきたこと。それから高1の時の進路指導の担当から、「来年は職業体験もあるけど、中2の時にやったやつよりも、より現実性をもって。自分に適したものを選ばんとあかんよ。」という置き土産を持って、その先生は私が高2の春に離任されましたが、信頼を置いていたこともあり、その言葉は強く残っていました。
そして自分の将来を意識するようになり、高2になってからは、以前からささやかれていた、進路進路の声は何かと大きくなり、ささやきどころか、こと時間ができれば、すぐ進路進路。
私の当時の心境を表現するために、「進路」という文字を意識して多めに書いてますが、字で見てもつまりそうになるぐらい。とにかく、その当時の「進路」という言葉に逃げ出したいほどの閉塞感・窮屈感をおぼえていたのです。
当時の担任にはもうしわけないですが、私が高2の秋・冬ぐらいの時期になると、「もう時間がないぞ。進路どうする?にあわせて、私が同じぐらいの時はもう行き先決めて、スベり止めの高校も用意して猛勉強していた。」と言われ、しまいには2学期の終わりに、「もう本当に時間がないから、この冬休み中に親とケンカしてでもいいから行き先を決めてこい」と。
自慢とも脅しともとれる威圧感と、私の心労はピークに達していました。
日に日に威圧が強くなり、これ以上ひっぱると、次会ったときは、何を言われるかわからない という強迫観念を抱えて家に帰ったのは忘れません。
それで私はその冬休み。母と大口論の挙句、大学をいくつかの『近畿圏内の心理学科・学部」に絞って3学期。担任に見せると、「よくやった。狩谷君が最後に越えなければいけない殻はお母さんだった。よく自分の意見を押し通せた」と。このころは、一刻も早く、どの方向でもいいから、地獄のような日々から抜け出したいと。本当にバカみたいに担任の顔色ばかり窺っていましたね。だから自分の中で家族・リハの先生・学校内。あらゆるすべてにおいて「人間関係氷河期」でしたね。
私の心理学史に衝撃を与えた事件。
~もう心理学からは手を引こうと思わせた人物―西堀親子~
あまり書くと、悪口が過ぎ、本題からもそれるので、少し時系列を戻します。
まだそこまで進路進路の声が大きくない高1~高2のはじめ。けれど来たる職業体験のこともあり、将来何がしたいか を考えていた時期です。この時に、小学校6年ごろに興味を持った心理学に「もう二度と触れない」と思わせるMy衝撃的事件がおこります。それは、
仮面ライダードライブ第27,28話。はね・ゆりさん演じる西堀・令子(にしほり・れいこ)がロイミュード050と共謀し、起こした大規模な事件。その詳細は実際に見てもらった方が説明も付くと思うので、簡単に説明しますが、その動機は、父である西堀・光也(こうや)演:野間口徹さん を超えること。
自身も怪物であるロイミュードと共謀し、自身が探求する『最高の犯罪』を完成させ、最終的に計画完遂のために近づいた詩島・剛/仮面ライダーマッハ演:稲葉友さん に自分を殺させることで計画完遂という、恐ろしい計画を立てていました。
父である光也も、帝東大学の教授で、有名な犯罪心理学者であったが、犯罪者の心理に影響を受け、自らも犯罪者となって、彼らの模倣行為を重ね続けていた。その後2017年12月24日にロイミュード005とともに脱獄を果たし、他の脱走犯らと過去のロイミュード犯罪を模倣。人間とロイミュードを超越した存在になろうと目論む ←小説マッハサーガより。など父も父で相当なお人だったのですが。。。(特に光也を野間口さんが演じられていたので余計に怖さが増幅した)
これは仮面ライダードライブでの劇中の話だったので、登場人物も実在などもちろんしていないし、いってしまえば”作り物”なわけですが、『犯罪心理学』というジャンル・分野は間違いなく実在します。そんな彼らの影響もあって、(父娘を演じられた俳優さんたちの演技のうまさの賜物ということになるんですが。)結果として、心理学を深めると、(親子そろって)こういう末路になるのかぁと。そこで、前編にも書きましたが、『相手の心を読む学問』というフレーズの不気味さに圧倒された過去も蘇り、一度は心理学からは完全に手を引こう とまで思う時期もありました。
困りに困った果てに…
~亮裕、思考変えたってよ~
そんなわけで、将来の事・就職については真剣に考えるものの、やりたいこと はおろか、自分がどこかで何かの職に就いてはたらいている。そのイメージすら持てずにいました。先ほど書いたMy衝撃的事件、仮面ライダードライブ第27,28話が放送されたのが2015年4月26日=27話と5月3日=28話。私が高2の春です。このころは高2といっても進級したてで、まだそこまで進路進路の声がうるさくなかった時期。
この年の職業体験は2学期が始まってしばらくしたころ。10月末だったかな?にあるので、それに向けて将来何をしたいか?どんな仕事に就きたいか?を真剣に考えろ という風潮が強かったと記憶しています。
私は、母に「将来のことを考えても、大学までは出ておけ。中卒・高卒では今はどうにもならん」と昔から言われ続けており、なんとな~く「大学はどこでもいいから出ておこう」というのは思いとしてあったので、就職か進学かと聞かれるとその当時から、大学へは行こうと思います と答えていました。
私の支援学校では、高2になるとⅠコースとⅡコースに分かれ、Ⅰ=進学、Ⅱ=就職コースとそれぞれ分かれていました。
高2になる直前その話を母ともし、「どっち取ろうか」というと、より一般の高校に近い教養が身につくからなどの理由でⅠを取ってくれ とのことだったし、先述しましたが私も、「大学はどこでもいいから出ておこう」と思っていたので、悩んではいましたが、Ⅰを選択しました。←だから後々余計に進路進路言われる…
そうして高2の春を迎えたわけですが、私は困りに困り、困り果てていました。
あの衝撃的な事件からはしばらく経っていますが、相変わらず、やりたいこと はおろか、自分がどこかで何かの職に就いてはたらいている。そのイメージすら未だ持てずにいるからです。けれども周囲からの進路進路の口撃は収まる気配もありません。
そこで、私は思考を変えました。やりたいこと ではなく、(自分の)好きなことは何か?と自分への問いかけの内容を変えました。そうすると、自分の内なる声も返答しやすいだろうと思ったからです。
一度はポケモンが好きで、ポケモンをやる側ではなく、作る側を目指そうかな とも攻略本の担当者インタビューの様子や雰囲気を見て思いましたが、担任と「(自他両方の視点から見ても)プログラマーなど理系だし、模試の点数みても文系なら可能性があるが、理系となるともっと苦労するだろう」と合致し、ゲームプランナー関連の仕事の道は断念。
となれば、自分のやりたいことは、「心理学」。ですが、これにはとんでもないトラウマが植え付けられているからなぁ。どうしよう…。
自分は図書館のような静かな場所で本を読んでいるのも好きだから、図書館司書なんてのもアリかなぁ…いろいろ考えました。そうして、とにかく今年の職業体験は、地元中津の図書館(室)で働かせてもらうことが決まり、細かな方向性は職業体験が終わってから考えようということで落ち着きました。このエピソードは、最後の項目でもう少し触れようと思います。
職業体験終了後。秋も深まり、いよいよ進路口撃も威力を増して襲いかかってきます。大学の面接となれば、動機が強くなければ落とされる と担任から何度も言われ、思い入れの強いものを持ってこいと言われていた私は、その後も話し合いを重ねる中、ふたたび前編にも書いた、
「相手の気持ちを読んで、相手より先に行動できれば、助けてもらってばかりのこの歯がゆさが解消できるのかもしれない…!助けてもらってばかりでなく、自分も誰かの役に立ちたい!」という、
『心理学』に対して持っていたポジティブなもの。自分の心理学との出会いの原点
が思い出され、エントリーシートに書く内容を精査しているうちに。また、これでは(志望動機として)まだ弱いと何度も激を受けているうちに。ポジティブな経験を中心に考えるようになっていました。
いつしか、心理学からは完全に手を引こうとすら考え、封印したはずの記憶なのに、小学生時代の記憶もありありと思い出され、関連するTV番組等も楽しんでみていたことを追体験し、「だから心理学って面白いんだよなぁ。楽しむっていう感情さえ忘れなければ、自分は西堀親子のようにはならない。一回封印しても楽しい記憶が出てくるってことは、自分って心理学がこんなにも好きだったんだなぁ」と再認識することができました。
※番外編 自分は心理学の道に進もう!
思いを確固たるものにしてくれたキーパーソンとの出会い
このまままとめに入ってもよかったのですが、上で図書館司書の下りも思い出して書いたので、思い出しついでにもう一つ。このような経緯で迎えた職業体験の、特に印象深かった2日目のエピソードを最後に思い出せるだけ書いて、この記事を締めたいと思います。
上記のような流れで職業体験3日間のうち、中日2日目だけ公民館の図書室で働かせてもらえるようになったのですが、この1日が今でも忘れられない。
その日私を担当し、迎えてくれた私の20数年の人生中でもキーパーソンとなっている人物。ふだんあまりしないのですが、あまりにもうれしく印象に残っているので、イニシャルだけ出します。Kさん。
Kさんは後で聞くとこの日昼から出張が入っているので、私を見られるのは午前中だけだけど、ごめんね。と言って出張に行かれました。私を朝迎えるなり、Kさんは、どうして私が図書館司書に興味を持ったのか?それだけではなく、私の過去話にも興味を持って、すごく親身に、おだやかに話を聞いてくれました。
私の過去話をするなかで、Kさんは公務員で配置転換により職場と部署がコロコロ変わることや、最初図書館に配属されたばかりのころは、何をしていいか分からず、あまり好きではなかったが、今では誇りをもって仕事していること。
そしてここでの仕事のことについて。例えばパソコンのソフトを使って、誰が・いつ・どの本を借りていったか=室内にどの本があるか・ないか の確認。利用者が来る前に本のホコリをはたいたり、本のジャンルや作者別に並べ替え、以前に本を読んだ人が順番をゴチャゴチャに戻していたりすると、法則に従って元に戻したり。
(この時、図書館等の本の下によくある、サ・30などの暗号のようなものの法則性やIBSNについても教えてくれ、大変楽しかったです)
そのほかにも、最近は電子書籍が多くなって、紙の本の売れ行きが少なくなり、それらを手に取る機会が減っていること。それに伴って、こういう大きな図書館などの「本に囲まれる場所」自体が減ってきてしまっていること。紙は電子とは違って、ページをめくる感覚や、本の匂いがあるから、五感を刺激できる。まだまだ紙の本にも便利だけではない魅力や可能性があることなど。お互いに思うことを、思う存分話し合いました。
私は、こんなにたくさんの本に囲まれた、いわば『知識の在りか」のような落ち着いた場所で、価値観を理解してくれる人と、2人で”対話”できたこと。そこでの居心地の良さから、ここにいる本たちも、Kさんが担当になってくれてうれしいだろうな。私も、昔も今も変わらず本と触れ合うのが好きなんだなと感じました。
そして気分が軽くなって、私は心理学に興味があって、大学進学しようか非常に迷っているといったら、僕がこの仕事やってて心がけていることがあって。とKさん。それは何ですかと聞くと、
お客さん一人一人の顔を見て、何を読もうか悩んでるなぁと思ったら、おススメの本などを提示してあげること。そして、頻繁に訪れるお客さんなら、過去にここで借りた履歴などを見て、○○さん、この間△△の新刊が出たんですよ。よかったら読んでみませんか?などと
お客さんの好みを把握しておいて、それに合わせて話を持ちかける。
だから自分の好きなジャンルだけでなく、幅広くいろんなところの知識詰め込んどかなあかんから、この仕事も大変なところあるんやけどね。これを聞いた時、私はKさんがそこまで考えているんだとびっくりしたと同時に、Kさんの奥深い本に対する愛情にほれぼれしました。それに続けて、
お客さんの顔色見たり、好みの傾向把握したり、本が好きで図書館とかで働くにしても心理学の知識って必要やと思うからなぁ…このままそっちの知識も極めていってもいいんちゃう?と悩める私の後押しをしてくれました。
私はそのとき、覚悟が決まったというか、道が開けたようなスーッとした感覚になりました。私はやっぱり、好きな心理学を極めに、大学へ行く!と。
この日はほとんどお話しばかりで、職業体験でお世話になりにきているのに、職業らしいこと何にもできなかったな という申し訳なさもありつつ、私はその日Kさんに、帰り際「おかげで道が決まりました。ありがとうございました。」というようなことを言って晴れ晴れと帰った記憶があります。
もうひとつ忘れられないエピソードを。
この日の昼休憩。ご飯の合間に「この日はほとんどお話しばかりで、職業体験でお世話になりにきているのに、職業らしいこと何にもできなかったな という申し訳なさもある」あまりの場違い感。そして話しすぎた感から、副担任の先生にも同じことを打ち明けました。てっきり、そうやね などと帰ってくるのかと思っていたら、「これも立派な職業体験やで、狩谷君。」と先生。なぜですかと聞くと、
この仕事の重要なポイントや、Kさんが心がけている、大事にしていることも聞けた。
なにより、自分のこれからの道が決まってスッキリできたみたいやしね。
これも立派な”職業体感”。こういう職場体験もアリやと思うで。
あとは、私のプロフィールに書かれているとおりです。
Kさんには、この時あまりにもお世話になったので、少し気持ちが落ち着いてから、「あの時は大学進学するといっていたけど、体調壊して戻ってきたんです。ごめんなさい。今の近況は…」と高校卒業後、私個人的に時間を取ってもらい、近況報告してきました。
まとめ
2020年最後は、前後編にわけて「私が心理学に興味を持った理由」と題して書いてきましたが、後編も長くなってしまいましたことをお詫びします。
こうみると、私は心理学と現在はライフスタイル(というよりパートナーといった方が適切かな)のように付き合いだすまでになっていますが、ここに至るまでにもいろいろな紆余曲折があったんだなぁ ということを自分でも、書きながら改めて感じることができました。
また、年内に自分の重要なエピソード記憶(自伝的記憶)の整理もでき、いい年の瀬、いい年越しを迎えられそうです。
さて、前編の方にも書きましたが、「私の今年の漢字」=年末の締めの挨拶を除くと、これが本年最後の記事となります。2020年もあと3日。みな様におかれましても、残り3日。悔いを残すことのなきよう。そして、この年末は大寒波の襲来が予測されていますので、くれぐれも体調にはお気をつけて。
それでは、今日はこの辺で。
~風の向くまま。気の向くままに~