考察

仮面ライダーセイバー第11話 感想

どうも、「かざみわし」狩谷亮裕です。
だんだんと寒くなってきました、この季節。私は今週も体調ならぬ”心調”が優れずダウン気味でした。そんなこんなで遅くなりましたが、仮面ライダーセイバー第11話の感想と考察をやっていきたいと思います。

第11話を解くカギは”鍵”

第11話。前回10話でカリバーの正体が判明してから、なんか、もう年末まであと1か月近くありますが、最初の1クール(番組開始~12月末)のクライマックス感が半端ない。

その影響もあってでしょうが、最近はカリバー等登場人物のセリフとメギドの特徴など2つの意味合いを含むセリフや描写を用いての対比が多い気がしてならないのです。

そしてそれは今回11話も同じで、”鍵”というのが文字通りキーワードになってくる。
というのも、ワンダーワールドの偉大な力を手に入れる べく、彼らメギドの作戦の最終段階としてレジエルが生み出した、ゴブリンメギド。今回は最初に生み出されたときから、全部で何体いるか数えられましたので珍しいなと思い数えてみると、6体。”6”という数字(体数)をみて、「あ~。なるほど」と。これはノーザンベースの剣士たちと同じ数だから、何か対応しているなと。直前のシーンでストリウスが、「音の剣士が現れ、6人の剣士たちが揃いました」と言っていましたしなおさらです。

で、ゴブリンメギドたちが、人を襲い、額から何かを刺して、人を殺害現場の血痕のようにしてしまう、公式のメギドの説明曰く、「いたずら」をして回るわけですが、される側の人にとってはたまったもんじゃない。
個人的感想ですが、久しぶりにこのニチアサと呼ばれる時間の枠でちょっとグロテスクな描写を見たので、「あ、挑戦しにきてるな」という、『令和仮面ライダー』としての覚悟とか心意気みたいなものを感じて怖いシーンではあるんだけど、胸のつっかえが吹き抜けるような。ス~ッとした快感を覚えました。

で、剣士たちが幹部メギド達もぞくぞくと助太刀しにくる中、ゴブリンメギドを倒すのですが、ズオスの「かかったな」というセリフとレジエルのニヤリとした笑み。その直後、6体いますから、現実の世界が6か所本の下敷きになっている。これは今までと同じですが、そのうちの本の2つから、の柱が上り立つ。そして、「炎と風の扉が開く」とレジエル。

恥ずかしながら私、ここまでの流れがスピーディーすぎて、よく分からなかったので、もう一度後で録画を巻き戻してみてみると、確かに今話で倒されたゴブリンメギドは2体。倒したのは、の剣士。そして、倒した直後手に持った聖剣が突如として光りだし、それぞれの色の柱が。という流れ。
全てを理解した私は、ひとり「これ、罠だ」と叫んでいました。

まず、剣士たちはいたずらであろうと、人と街を襲うメギドを立場上、放ってはおけない。
けれども、倒されると、それぞれに対応した扉が開き、ワンダーワールドへの道が開く。
メギド陣としては、ゴブリンたちを倒してもらうことが目的だったんですね。
そして、物語中盤。ソフィアが芽依にとても大切なもの として預けたのもこれまた露骨に小さな鍵。扉を開くには、鍵が不可欠。という意味で今話は「鍵」が二重の意味合いを持っているのでした。

去年のゼロワンでも年末と言えば、衛星アークの機能復活、そしてそれを企図した天津垓の思惑…という風に年始からの新展開に向けて話が進んだように、仮面ライダーは年末は(年始につなぐべく)悪役サイドの思惑・企みがひとまず成功するパターンが定石なので、今回も例にもれずワンダーワールドの扉が開き、飛羽真は忘れていた記憶を取り戻し、賢人と”約束の地”で会ってから絆を深める のと引き換えにメギド側の思惑もおおむね成功するんだろうなと思います。

「おおむね」と書いたのはなぜかというと、上條の真理を手にするという目的はどうなるのかと言われると、う~ん…途中で横やり入るんじゃ?って感じだし、12話の場面カット(東映公式上段左から2番目や下段一番左:仮面ライダーセイバー第12章「約束の、あの場所で。」)

の写真を見ると、普通に考えれば、ズオスの剣を受け止める飛羽真の背後にストリウス という局面なのでしょうが、これね、たぶん飛羽真ごとズオスを攻撃して「今までご苦労様でした、ズオス」なんて言い出さないかなぁ~って直感的にちょっと心配。

9話冒頭でついに仲間内からもその行動を不審がられていましたから、自分独自の計画のためにはそろそろ消し時 なんてことを考えてもおかしくはありませんものね。このように年始~の2クール目はギド陣の分断も加速していきそうな予感です。次の項目では、そのあたりのことを書くとしましょうか。

※break time ~かざみのボヤキ~
序盤のキーポイントとなる、例の橋での会話

その前に小休止を。
前回の考察でも少し触れましたが、この11話でソフィアと上條が話していた河原と高架があるシーン。

実はここ。平成仮面ライダーでもよく見かけるロケ地場所であり、私の記憶に残っている場面を数えただけでも、仮面ライダーブラーボ初変身シーン。(鎧武第6話)仮面ライダーエグゼイドにて、この時点では壇黎斗の正体を唯一突き止めていた仮面ライダーレーザー・九条貴利矢と黎斗が2人きりで遠慮なく話し、最終的に主人公永夢の謎を投げかけて終わったシーン。(第8話)そして今回セイバー第11話と三度目の登場。

いずれも物語序盤において、主人公に立ちはだかる刺客や強敵、序盤の謎の提示など。キーパーソン・キーポイントとなる事実がこの高架下で動き出すことが多い重要な場所。私は勝手に”例の橋”来たなと思ってます。

今回はこの”例の橋”で語られたことというのが、「あなたは変わってしまったというのですか?」、「私はすべてを捨てた。そして真理を手にする。そのために悪魔に魂を売った。」と。
あともう少し聞きたいなというところで、結構早い目に賢人が割って入ったので、今回ここで重要なことが語られたり、謎を仄めかすということは残念ながらなかったですが。こういう頻出するロケ地を作品ごとに見比べたり思い出したりしながら鑑賞するのも、仮面ライダーシリーズをみるうえでの醍醐味かなと思います。

ストリウスと神代玲花はつながっている?

ということで、休憩前の項目でも書いたとおり、この記事最後の考察として、ストリウスの思惑と神代玲花はつながっている?つまり、玲花とストリウスは共謀関係にあるのではないか という話をしていくとしましょう。(←いくらストリウス好きだからって、なんで口調まで似るの? っていうのはひとまずおいといて)

私がこの説を疑いはじめたのは、前回第10話から。カリバーと戦っている廃墟の外に何気なく現れて「お手並み拝見ね」とこぼした玲花。そんな彼女が次に同話で映った場面といえば、カリバーが爆発に巻き込まれ、その正体が上條大地であると飛羽真たちに知れた後。切りかかってきた賢人を再変身して退け、傷だらけの3人を残して去るのを見ながら、「さぁ、どう動く?」と言わんとする少し小悪魔的な表情。

そして、カリバーを上條だと剣士たちに知らせたのは、ほかでもなくストリウス。ジャオウドラゴンのワンダーライドブックが出来上がる頃合いを計算し、「もう十分でしょう」と言って光弾を打ち込む。

これ、直前でジャオウドラゴンが書きあがる描写があったので、そのままストレートに読むと、ジャオウドラゴンのワンダーライドブックが出来上がるには「もう十分でしょう」という風に掛かってきますが、もう一つの意味合いとして、あなたがカリバーとして剣士たちに正体を隠し続けるのは、「もう十分でしょう」。つまり、そろそろ剣士たちに現在のカリバー=上條大地であるという事実を突きつけ、計画を進めるためにあえてカリバーごと剣士たちを爆発させ、変身解除に追い込んだ ともとれるわけです。
そのシーンの前ではなく後に玲花の小悪魔的な表情があったというのも因果関係を疑わせます。

そして続く11話では、この真実を知り、倫太郎との間にも亀裂を持った賢人。そんな彼のもとにタイミングよく電話をかけ、「カリバーの居場所、教えてあげましょうか?」。
先ほどbreak timeで、結構早い目に賢人が割って入った と書きましたが、もうこれ、賢人をあの場面に遭遇させ、余計に疑心暗鬼にさせることを狙って言っているようにしか思えません。同じ場所でソフィアを後ろから襲い、煙のようにさらったのも、彼らによる一連の作戦の内だったのかもしれません。

そしてそして、次回12話予告では「いよいよ仕上げの時が来たようですねぇ」とストリウス。
この順番から見て、どこからかは分かりませんが、少なくとも9話でジャオウドラゴンのワンダーライドブックを作ろうと上條と画策していた時から。もしくは、元々のカリバーが富加宮隼人で上條と入れ替わったタイミングの前後から。もうすでに賢人の性格を利用し、剣士たちを陥れる罠として適切なタイミングで使おう と玲花とストリウスの間で承諾していたのかも。ちょうど玲花がノーザンベースと接触を図ったのもこのタイミングでしたし。切り札登場!的な?

私は神代玲花が登場するというニュースを一目見た時から、幹部メギドや上條ら”黒い本棚の面々”と同じ黒を基調とした衣装であることから、サウザンベースからの使者を名乗っておきながら実はメギド側に通じる女幹部か、それ以上の存在なのではと考えを巡らせています。
少なくとも9,10,11話の話運びやセリフ、シーンの順番などから、他の幹部メギド達はともかく、ストリウスと玲花は何かしら関係を持っている と睨んでいるんですがどうでしょうか?

まとめ

さて、仮面ライダーセイバー第11話考察はこれで以上となります。
最初に書いた通り、ある意味1クール目のクライマックスとでもいうべき、息つく間もない急展開。
次回12話では、今回起きている異変を通して、15年前に何が起きたのか?その事実や思い。そして飛羽真の記憶など。実に様々なことが描かれるようです。
序盤の「付箋回収」とばかりに、あちこちで鍵が合って閉ざされていた扉がカチッと開く音が聞こえてくるかもしれません。次回もとても楽しみです

それでは、今日はこの辺で。
~風の向くまま。気の向くままに~