考察

仮面ライダーセイバー第12話 感想

どうも、「かざみわし」狩谷亮裕です。
気づけばただいま、土曜の昼3時半。次回の仮面ライダーセイバー放送までギリギリな状態。書くことに悩んだ結果、12話の内容がこれほどまでに仮面ライダーエスパーダ・富加宮賢人にフューチャーされることもないだろうということで、今回は今までの復習も兼ねて。といいますか、カリバーとエスパーダ・雷と闇に秘められた対比について書いていきたいと思います。

振り返れば、仕組まれていた対比
カリバーとエスパーダの対比表現に迫る!

今振り返ればですが、仮面ライダーエスパーダこと富加宮賢人は初登場の第3話~(厳密には第2話最終シーン~)もっといえば、物語1話以前の15年前からカリバーに対して責任感というか、彼だけにしか理解しがたい感情を抱えていました。

まず、これが一つ。実際には(賢人の思い違いかもしれませんが)カリバーソードオブロゴスを裏切った自分の父・富加宮隼人であり、自分はその組織の裏切り者の息子であるというレッテル。そして、父が起こしたソードオブロゴスに対する謀反ともとれる行動により、当時幼かった飛羽真やルナ。そしてそこに住む住人を巻き込んでしまった。その責任は自分にあり、自分が何とかしなければいけない。単なる自分が自分が ではなく、責任感が強いが故の独断的行動に走っていました。

その結果第10話にて、カリバー=富加宮隼人ではないと分かった後も、カリバーに対して異常なまでの執着を見せていた。そういう意味では、一番分かりやすく言うと、11話のタイトルでもある、「乱れる、広がる暗雲」というストレートなまでの対比表現ですが、そのほかにも、彼らが変身等に使うワンダーライドブックをみてみると、「あ、これって今思うと使用者である賢人と上條の宿命だったのかなぁ」ということがじんわり伝わってきます。

そこで、CM開けのアバンでのワンダーライドブック紹介を参考にそれぞれのライドブックの言葉を比べてみたいと思います。

仮面ライダーエスパーダ

・ランプドアランジーナ
とある異国の地に古くから伝わる不思議な力を持つランプがあった。
1生物(ニードルヘッジホッグ)を纏いし魔人の輝きは雷光をも凌駕する。
2神獣(トライケルベロス)とも交えし物語は稲妻の輝きをもって闇と対峙する。

・ニードルヘッジホッグ
この弱肉強食の大自然で幾千もの針を纏い生き抜く獣がいる。
小さなその身は神獣と出会い、電撃走る物語をつむぐ。

・トライケルベロス
かつて冥界の財宝を狙う猛者が恐れた三つの頭を持つ番犬がいた。
冥界に潜む生物の物語は黄金の雷をこの世に打ち込む。

仮面ライダーカリバー

・ジャアクドラゴン
かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった一体の神獣だった。
生物が恐怖し物語も生まれぬ暗闇はすべてを近づけなかった。

・ジャオウドラゴン
巨大な本が生み出されるときに群がる首と偉大なる伝説へと向かう竜使いの名は。
邪道を極めた暗闇を纏い数多の竜が秘めた力を開放する。
要するに暗黒竜使い襲来。

 

とこんな感じ。
私的に気になるのは、ランプドアランジーナの2,「神獣(トライケルベロス)とも交えし物語は稲妻の輝きをもって闇と対峙する。」であったり、トライケルベロスのケルベロスが、地獄の番犬 などと言われ、ゲームなどにもたびたび登場するケルベロスであるということは言うまでもなく。従ってケルベロスの言葉について回ってくるのが「地獄や冥府」、ひいては『死』のイメージ。

そして、トライケルベロスの「冥界に潜む生物の物語は黄金の雷をこの世に打ち込む。」この文脈。エスパーダが使用するうえでワンダーコンボとなる相性の良いブックなので、黄金の雷を打ち込むのは大いに結構なのですが、打ち込む先が「この世に(現世に)」ということは、あの世(冥界)から打ち込んでいることになり、この時点でエスパーダ死亡説が現実味を帯び、12話まで見終わった今考えると、闇と対峙するの闇=カリバーの闇なのかなとも思えてきます。

カリバーの方も、ストーリー中のパワーアップの経緯はいったん無視して。ライドブックに書かれている内容だけでみてみると、ジャアクドラゴンが一体なのに対し、ジャオウドラゴンはスイミーのように、(←スケールが違いすぎる)数多の、つまり複数の邪竜が集まって巨大な竜を形成していると。ここはジャオウドラゴンの変身シークエンスをみていてもその通り。

そして、ジャオウドラゴンの物語の始まりのページには、「巨大な本が生み出されるときに群がる首と偉大なる伝説へと向かう竜使いの名は。」巨大な本が生み出される。これはタッセルも言っていたように、本来は存在しない・存在してはいけない異質な力であると同時に、「偉大なる伝説へと向かう竜使いの名は。」とあるように、竜を使役する存在も見え隠れ。この竜を使役する存在が、無理やり何かの首を群がらせて作り出したのがジャオウドラゴン。そしてこの「群がる首」の中の3つはケルベロスの三つ首を合成したんじゃないかなぁとも思えたり。

この「ジャオウドラゴン」の物語の主人公(?)は、偉大なる伝説という我欲のために、(ジャオウドラゴンがカリバーの強化形態であることを踏まえると)何の生物や物語とも交わらなかった一体の孤独な竜の力を利用した。とも取れますよね。

また、ジャオウドラゴンの竜使いとリンクするような形で、真理を手にするべくすべてを捨て、ソードオブロゴスの剣士たちと対峙し、修羅の道を突き進もうとしている。この現在のカリバー、上條大地。(彼がここまで我欲にまみれた自己中心的な存在だとは現状思えませんが)彼の置かれている境遇や孤高さという意味においては、この二人が重なり合って見えてきます。

とにもかくにも賢人を殺めてしまった上條…

とにもかくにも賢人との激闘の末、彼を手にかけてしまった上條。
私は11話の「父さんはどこにいる?」という賢人に対して、「私が切った、裏切り者だからだ」と。これは文脈通りに取るのはミスリードで、過去のキョウリュウジャーの桐生ダンテツとトリンのように、敢えて富加宮隼人を切る(殺すもしくは仮死状態にさせる)ことによって、ワンダーワールドに生命体のような形で送らせたとも取れ、そして父と同じようにその息子賢人に言った「お前の父に(真相を)聞け」。これを実行させるための「父親のところへ行け(←残酷ですが、いったん人間としては死を迎えろ)ということで、とうとう12話でそれを実行したのかなと。

ですがそこは、15年前からの歴戦の猛者。先代の炎の剣士ですから、賢人を本当の意味での死には追いやってはおらず、なんらかの救済の余地は残しているのではと考えます。(=精神的意味での死?)

衝撃の幕引きにあわてて東映の公式HPを見ると、賢人役の青木遼さんはまだオールアップ、お疲れ様でした の花束を受け取っていないですし、次回13話でもエスパーダのスーツアクター、中田裕士(ゆうじ)さんの出演情報も明らかとなっています。
ちょうど劇場短編にて、使用者に無限の命を与えるとされる、「エターナルフェニックス」のワンダーライドブックの存在も示唆されているので、このまま賢人がすんなり退場するとは考えにくいです。

まとめ

今回は仮面ライダーセイバー12話考察として、これまでの復習のような意味も込めて、カリバーとエスパーダ。彼らの対比描写について書いてみました。
書き始めから約3時間が経ち、現在夜の6時半。辺りもすっかり暗くなりましたが、なんとか間に合わせることができました。時間のない中、少々小走り気味になりましたが、お許しください。

それでは、今日はこの辺で。
~風の向くまま。気の向くままに~